AIを使うと、ホワイトペーパーのテーマ案・目次・本文の下書き・比較表を作成できます。基本の流れは、読者とテーマを決める→構成案を作る→章ごとに本文を書く→図表とレイアウトを整える→PDFを確認する、の順です。
この記事では、BtoB担当者が最初の一本を作るために、使うツールの役割、コピーして編集できるプロンプト、7ページ構成の例、PDF化と配布の手順を紹介します。構成・文例は説明用で、実際のリード獲得実績ではありません。
AIで作れるホワイトペーパーと、作成に使うツール
最初の一本には、課題を整理するチェックリスト、選択肢を比べるガイド、業務の進め方を示す手順書などが候補になります。例えば、比較条件を記入するシートと解説を組み合わせる構成です。必要な事実を持っていない調査レポートや顧客事例を、AIに作らせて実績として載せる方法ではありません。
文章の下書きはChatGPTなどの対話型AI、レイアウトは普段使っている文書・スライド編集ソフト、配布版はPDFという役割分担で始められます。ChatGPT公式の資料作成案内も参照できます。特定の製品契約や、自動生成だけでの完成を前提にせず、編集できる元データを残してください。
ここでいうホワイトペーパーは、読者が課題や選択肢を整理するための解説資料です。会社案内や製品カタログと同じ内容にすると、ダウンロード前に期待した答えが見つからないことがあります。まず読者へ判断材料を渡し、その先に自社の支援が必要な場合の相談先を置きます。
| 工程 | AIへ依頼する作業 | 人が確定すること |
|---|---|---|
| 企画 | 読者の疑問やテーマ候補の整理 | 対象者、扱う課題、事業との関係 |
| 構成 | 疑問に答える順序と章案 | 不足する根拠、重複、扱わない範囲 |
| 原稿 | 承認済み材料から章別の下書き | 数字、引用、比較条件、表現の正確さ |
| 図表・組版 | 比較表の項目や図の説明案 | 元データ、視認性、素材の権利、PDF出力 |
| 配布 | 紹介文や返信文の下書き | 公開承認、フォーム、送信、営業への受け渡し |
生成AI、スライド・文書編集ソフト、配布フォームは別の役割です。一つのツールで完結させることより、原稿を修正できる形式で残せるか、PDFへ出力できるか、出典や版を引き継げるかを確認してください。既存の契約で試し、必要な機能が確認できるまでは新しい有料契約を前提にしません。
手順1:読者の「資料を読んだ後の仕事」を一つ決める
「リードを増やす」は制作側の目的であり、読者が資料を読む理由ではありません。「導入候補を絞る」「社内で確認する項目をそろえる」「見積もりの条件を比較する」のように、読み終えた後にできる仕事へ変換します。
- 誰が使うか:担当者、決裁者、現場担当など。
- 現在の状態:情報収集中か、比較中か、導入準備中か。
- 持ち帰るもの:比較表、質問票、進め方、記入シートなど。
- 扱わない範囲:個別の見積もり、専門判断、未確認の市場予測など。
- 次の行動:社内共有、追加情報の確認、相談のいずれか。
例えば「法人向け研修を比較したい人へ、依頼前の条件整理シートを渡す」という企画なら、AIの一般解説や自社紹介を長くする必要はありません。受講対象、到達目標、実施形式、確認事項を整理する方が企画に合います。この例は架空の企画であり、実在する研修サービスの条件を説明するものではありません。
手順2:使える資料と、主張の根拠を先に整理する
公開済みのサービス説明、承認済みFAQ、掲載許可のある事例、公的資料などを集めます。過去の記事や営業メモに書かれているだけでは事実の証明になりません。数値を使うなら原票へ戻り、対象、期間、単位、集計条件まで確かめます。見つからなければ、その主張を削るか、確認待ちにします。
| 材料の記録欄 | 残す内容 | 止める条件 |
|---|---|---|
| 資料名・版・該当箇所 | 誰がいつ確認した、どの記述か | 現行版か分からない |
| 支える主張 | 本文のどの一文・比較項目を裏付けるか | 結論の範囲が資料より広い |
| 数値の条件 | 対象、期間、母数、分母、欠測、丸め | 数字だけ切り出されている |
| 利用できる範囲 | AI入力、社外配布、図表転載の可否 | 顧客名や素材の掲載許可が不明 |
| 未確認事項 | 確認先、担当者、解決しなければ載せない項目 | AIの補完だけで埋めようとしている |
顧客名を消しただけで、安全なデータになったとは限りません。問い合わせ本文、メールアドレス、個別契約、未公表の売上などは、入力が許可された範囲を確認するまで渡さない方針にします。個人情報保護委員会は、個人情報の入力では利用目的に必要な範囲か、個人データの入力では機械学習に利用されないこと等を確認するよう示しています。個人情報保護委員会の生成AI入力に関するQ&A
手順3:ページの役割を決めてから、構成案を作る
資料の長さに一律の正解はありません。表紙以外のページごとに「このページで答える問い」と「渡す判断材料」を決め、答えのない章や似た説明を削ります。記事を何本もつないだだけの構成では、前置きと定義が重なりやすくなります。
次は、先ほどの研修比較を題材にした7ページ構成の架空例です。ページ数の推奨値や実制作の結果ではありません。
| ページ | 読者の問い | 掲載するもの |
|---|---|---|
| 1:表紙・対象 | 自分の課題に合う資料か | 対象者、用途、扱わない範囲 |
| 2:条件整理 | 何を決めてから相談するか | 受講対象・目的・制約の空欄シート |
| 3:比較の観点 | 同じ条件でどう比べるか | 到達目標、形式、実施支援などの比較欄 |
| 4:依頼の準備 | 候補先へ何を伝えるか | 問い合わせ時の質問票 |
| 5:読み合わせ | 提案の不足にどう気付くか | 架空の記入例と確認待ち項目 |
| 6:進め方 | 社内で誰と確認するか | 担当と承認の整理欄 |
| 7:次の行動 | 追加相談が必要なのはどこか | 相談前にそろえる情報と連絡先 |
章案には使用する資料名と該当箇所も付けます。根拠が足りないからといって、一般論のページを足して厚く見せないでください。担当者が説明を加えなくても、読者が比較欄を使えるかを構成段階で確認します。
手順4:根拠を限定して本文・比較表を作る
社内で利用が許可されたAIへ、企画と必要な材料だけを渡します。一度に全ページを書かせず、構成を承認してから一章ずつ作ります。次は、材料を渡す際の依頼テンプレートです。角括弧を置き換えて使い、未確認のまま公開しません。
目的:[対象読者]が[比較・準備したいこと]を判断できる資料を作ります。
使える材料:[資料名、版、該当箇所、掲載可能な事実]
扱わない範囲:[個別見積もり、専門判断、未公表情報など]
まず、ページごとの問い・掲載内容・使う根拠・不足情報を表にしてください。
構成を確認するまでは本文を作成しないでください。
承認後は指定した一章だけを書き、主要な主張に資料名と該当箇所を付けてください。
材料にない実績、調査結果、顧客の声、数値を補わないでください。
提案・事実・説明用の架空例を分け、不足情報は管理用の確認事項へ出してください。
配布用本文と編集メモを分け、公開や外部送信は行わないでください。
抽象的な本文を、読者が使える内容へ直す例
修正前の架空文例:「自社に最適な研修を選ぶことが重要です。」
修正後の架空文例:「依頼前に、受講する人、研修後にできるようになりたい仕事、実施できる時間を記入します。提案を受けたら、この条件への対応と、含まれない支援を同じ欄で確認してください。」
後者は、確認する対象と行動が分かります。一方、「満足度が高い」「売上が伸びる」などの評価を付けるには別の根拠が必要です。AIが文章を整えたことを、根拠が増えたことと混同しません。
図表は、見た目より比較条件をそろえる
表の行に候補、列に同じ比較軸を置き、未取得は「未確認」、対象外は「対象外」と分けます。数値グラフは元データから作り、単位、分母、期間、出典を残します。生成AIが描いた装飾グラフを実測結果として配布しないでください。概念図や記入例にはその区分を添えます。
手順5:原稿と、書き出したPDFを別々に点検する
承認した原稿を文書・スライド編集ソフトへ移し、見出し、本文、注記、図表の形式をそろえてPDFに出力します。AIがPDFを直接作成できる場合でも、編集用の元ファイルと配布版の両方を保管します。形式の変換ができたことは、表示や内容の合格ではありません。
| 点検する版 | 確認すること | 修正して戻る先 |
|---|---|---|
| 原稿 | 章の重複、表と本文の一致、出典が主張を支えるか | 構成または根拠資料 |
| 組版 | 長い見出し、表の途中切れ、注記、画像内の文字 | 編集用ファイル |
| 出力PDF | 文字の欠け・文字化け、検索や選択、リンク、読順 | 書き出し設定と組版 |
| 閲覧環境 | PCとスマホで読めるか、必要な拡大で表を追えるか | 文字量とレイアウト |
| 配布経路 | ログアウトした閲覧者が案内どおり取得できるか | アクセス権とダウンロード設定 |
第三者の文章や図を「AIで言い換えたから使える」と判断しません。素材の利用条件、引用の要件、既存作品との類似を確認し、必要なら権利担当へ相談します。文化庁のガイダンスは、生成と生成物の利用を分けた確認や、生成過程を確認できる状態にする取組を示しています。文化庁:AIと著作権に関するチェックリスト&ガイダンス
手順6:資料請求から受け渡しまでを試す
公開ページには、誰向けか、何が分かるか、内容の例を示し、資料の中身と約束を合わせます。フォームで情報を取得するなら、利用目的や取得項目を確認します。資料の送付と、その後の広告メールの配信許諾を同じものとして扱わず、連絡方法ごとの条件を管理者と整理してください。
- 許可されたテスト用情報で、入力・エラー・完了を確認する。
- ダウンロードリンクや案内メールから、正しい版を取得できるか確認する。
- 閲覧者向けの権限で、PDFや外部リンクが開けるか確認する。
- 営業通知に、相談テーマと対応に必要な情報が渡るか確認する。
- 問い合わせ窓口、更新担当、旧版を差し替える手順を残す。
これはこれから実施するための確認項目です。当メディアが読者のフォームへ送信した、配布を完了したという記録ではありません。実送信、個人情報の登録、営業通知は、担当者が許可した環境・宛先に限定して行います。
公開後は、資料の版と読者の行動を結び付けて評価する
資料の完成数だけで成果を判断せず、制作の負担と、配布後の行動を別に記録します。ダウンロードの発生は、読了や商談の成立を意味しません。商談の確認には、営業側の定義と追跡期間も必要です。
| 見たいもの | 記録する指標・条件 | 混同しないこと |
|---|---|---|
| 制作効率 | 企画、生成、修正、出典確認、組版にかかった人の時間 | 生成時間だけを制作時間としない |
| 配布 | 紹介ページ閲覧、フォーム完了、ファイル取得。重複処理の条件 | 同じ人の再取得を新規リードへ足さない |
| 商談への接続 | 有効な相談、商談化、対象外理由。資料の版と観測期間 | サイト全体の問い合わせを一本の資料の成果にしない |
| 改善 | どの章・訴求・配布経路をいつ変えたか | 広告や営業体制の変化を資料の効果と断定しない |
同じ定義・同じ長さの期間で比べても、季節性、配布先、広告、営業対応の違いは残ります。少数の資料請求だけで勝ちパターンと決めず、読者が迷った箇所や営業が追加説明した内容も次の改稿材料にします。
うまくいかない場合の直し方
| 症状 | 戻って確認すること | 修正例 |
|---|---|---|
| 一般論ばかりになる | 読者の仕事と材料が具体的か | 章を増やさず、記入シートと確認対象を追加する |
| 出典のない数字が混ざる | 本文と根拠の対応 | 数字を削り、原票で確認できた範囲だけ書く |
| PDFで表が読めない | 列数、文字量、改ページ | 表を分割し、注記を近くへ移す |
| 取得はあるが相談につながらない | 読者とサービスの対象、相談条件、追跡期間 | 公開ページと資料の約束をそろえ、対象外も示す |
AIでのホワイトペーパー作成についてよくある質問
AIだけでPDFまで作れば完成ですか?
完成ではありません。編集用データを保管し、内容、根拠、素材の権利、出力PDF、配布経路を別々に確認します。取得できたことと、内容を読んでもらえたことも分けて評価します。
社内資料が少ない場合は何から作れますか?
実績の紹介を無理に作らず、公開可能な情報から条件整理シートや質問票を作る方法があります。調査資料や顧客事例を持っているかのように補わず、未確認項目は掲載を見送ります。
何ページにするのが正解ですか?
一律の正解はありません。対象読者の疑問に答え、比較や準備ができるかで決めます。本記事の7ページ構成は架空例であり、ページ数を満たすための引き延ばしは不要です。
まとめ:根拠と配布までの確認を、原稿と一緒に残す
最初の一本は、読者の仕事を絞り、使える材料を確認してから構成を作ります。AIには章別の下書きや表の整理を任せ、出典、PDF、フォーム、引き継ぎを人が確認してください。配布後は制作時間と有効な相談を分けて測り、AIで作ったことだけを成果の理由にしません。
資料を紹介するメールの作り方は、AIでメルマガを作成・検証する手順で扱います。
一次資料の確認日:2026年10月28日。制作手順・構成・指標設計は編集上の提案です。掲載許可や法令適合をこの説明だけで確定するものではなく、当メディアの時短・リード獲得効果は本記事では実測していません。

監修者プロフィール
魚見幸司
生まれ(32歳)
監修:魚見幸司
SEO、Web広告、SNS・LINE運用、LP制作・改善、アクセス解析、コンテンツマーケティング、生成AI導入を横断するデジタルマーケティングの専門家。広告代理店で最年少マーケティング事業部長を務め、グローバルマーケティング会社のCMOを経験しています。
成果指標から施策を逆算し、小規模検証から標準化へ進める方法と、人の確認を残した半自動化を重視。SEO・広告・SNS・LP・問い合わせを分断せず、事業成果までつなげる実務検証を行っています。
本記事は業務の判断基準と確認手順を整理したものです。説明用の例と実施済みの記録を区別し、未検証の削減率・売上・SEO効果は実績として示していません。
監修方針:実務で再現できる条件、数値、リスク、確認手順を重視して内容を確認しています。 監修者・専門家情報を見る



